はじめに
私が卒業した大学の成績優秀者の選出システムは、次のようになっています。
- 1年生の成績上位3名 => 2年次成績優秀者
- 2年生の成績上位3名 => 3年次成績優秀者
- 3年生の成績上位3名 => 4年次成績優秀者
- 2~4年次の毎年次の成績優秀者 => 卒業時の成績優秀者(ほぼ主席と同等)
1年生終了時、最初の成績優秀者に選ばれなかった時点で、既に条件から外れているため、卒業時の成績優秀者に選ばれることはできませんでした。よって、この記事を書いている私には、主席を取った経験はありませんので、ご了承ください。
しかし、学部4年次の成績優秀者に選ばれることができました。
1学年約200~250人中の3位以内なので、上位1~2%位の成績です。
(順位は公表されないので、何位かは分かりません)
この記事では、各学年で私が行った勉強、時間の使い方、失敗談や成功体験など、覚えている限りの体験を書いていきます。
- 大学卒業時の成績優秀者や主席に選ばれたい。
- 大学の成績を上げる勉強方法を知りたい。
- どのくらい勉強したら、成績上位者になるのかを知りたい。
- 大学生活における、学業への力の入れ方の目安が欲しい。
といった方におすすめの内容です。
※下記で書いている成績(GPA)の数値は、記憶の範囲内で書いているので、実際の成績と比べると0.1位前後指定かもしれません。
※補足
GPAの最大値を4.0とする大学が多い中、私の大学ではGPA5.0が最大でした。
GP(Grade Point) = (得点 – 50)/10
例)60点 => GP = 1.0, 80点 => GP = 3.0, 100点 => GP = 5.0
といった感じで、GPAはGrade Point Average(GPの平均)、要するに成績の平均です。
1. 1年生の時(50単位取得, GPA3.6 => 上位3位に入れず)
大学入学時、周囲の学生は学業は二の次で、サークルやアルバイトなどの課外活動を楽しみたい人が多いように感じました。そのような状況を見て、私は、
勉強に力を入れる人が少ないなら、主席を狙えるかも
と思っていました。しかし、受験が上手くいかず、モチベーションが下がっていたことや、大学での勉強方法のコツを理解していなかったことから、春タームはGPA 2.9(各科目の平均点が大体79点)を取ってしまいました。
夏以降、調べたり、同級生と議論し合いながら難しい内容を理解していくのが楽しくなり、夏タームはGPA約3.7(各科目の平均点約87点)を取ることができました。
秋、冬は実験科目が多く、レポート課題が多く課されました。
実験レポートでは、筆記試験よりも先生による評価が厳しくなることが多いです。
そのため、物理・数学の基礎科目の筆記試験では満点近い成績を多く取れていた一方、実験科目の成績が足を引っ張り、1年後期(秋+冬ターム)のGPAは約3.5、1年修了時の総合GPAは約3.6となりました。
満足のいく成績はとれず(といっても十分な努力もしていなかったのですが…)結果、本年度の成績優秀者に選ばれることはありませんでした。
噂によると、GPA4.1近く取っていた同級生でも上位3人に入ることができず、成績トップはGPA4.3位取っていたそうです。(私の成績では、かすってすらなかったTT)
2. 2年生の時(50単位取得, GPA4.1 => 上位3位に入れず)
テスト勉強を各科目平均1週間もやっていなかった1年次を振り返り、当然のことではあるのですが、
ある程度勉強時間(最低テスト前2週間程度)を積まなければ、成績上位者にはなれない
ということに気づきました。
そこで、学習の質の向上も兼ねて
- 講義の疑問は質問や復習を通して、次回の講義までに解消する。(1度わからなくなっただけでも、それを放置すると、次回からの内容が頭に入らなくなるため)
- 課題は提出期限より数日前には完了させる。
- 期末テスト前の各科目の勉強時間を、最低2~3時間×2週間分は確保する。
といった戦略を練りました。
その結果、2年前期(春+夏ターム)のGPAは4.3を記録しました。
この調子で行けば、学部内上位3位、あわよくば1位にも手が届くことを確信しました。
(順位は学生には公表されない学部だったので、1位になっても気づけませんが…)
しかし、思い通りにならないのが現実。
大学の部活動で部長を務めており、部員が少なかったことから、様々なイベントの仕事に追われるようになってしまいました。また、アルバイトも2つ掛け持ちしていました。バイトを休めば良かったのですが、当時の私は妥協したくなかったのか、毎週4から5日以上バイトをしながら、部長の仕事もこなしつつ、学業も手を抜かず、かなり忙しい日々を送っていました。
今思うと、無理しすぎており、常に切迫感があったように記憶しています。
結果、後期は前期ほどの好成績を取ることはできず、3年次の総合成績はGPA4.1程度でした。
この成績でも、上位3位に入れる可能性はあると思っていましたが、3年生になっても、成績優秀者選出の連絡は来ませんでした。
3. 3年生の時(40単位取得, GPA4.1 => 4年次成績優秀者)
こちらの記事詳しく書いていますが
他大学の大学院入試を意識し始め、専門外だった物理学科の授業を本格的に取り始めました。
電磁気学や量子力学など20単位分以上の講義を履修していましたが、物理の勉強には没頭できたので、専門科目以上の成績を取ることができました。結果、3年前期はGPA4.2となりました。
※主専攻科目(自身の学科の科目)以外も、GPAの算出に含まれます。
物理や数学は、得意であれば、計算結果が正しければ〇を貰えることが多く、言葉での記述の多い生物学や地学よりも高得点を取りやすいと感じました。
しかし、秋以降、苦手な生物系科目が必修だったこともあり、3年後期のGPA3.8と、前期に比べ成績は落ちてしまいました。
上記の結果、3年次の総合成績はGPA4.0程度でした。前年度がGPA4.1で成績優秀者に選ばれなかったので、今年もダメだろうと、完全に諦めていました。その後、4年生になり、大学院入試の過去問を解き始めていました。3年生の成績では、自分が選ばれるはずはないと決めつけていたので、その件については完全に忘れていました。
しかし、
4月の初旬頃、大学から、成績優秀者に選ばれたとのメールが送られてきました。
そのメールはこちら!と載せようと思いましたが、2、3年前のメールなので、消えていました。
賞状ももらったのですが、現在実家に置いてあるため、気が向いた時にアップロードしようと思います。
2年次よりも低いGPAで成績優秀者に選ばれた理由として考えられるのは、
- 3年次からは専門科目が増え、どの学科でも講義の難易度が上がるので、学部内での平均的な成績が低い。
- 成績優秀者の選出には取得単位数も考慮されるため、3年次としては比較的多い、40単位を取得していたことが評価された。
といった点でしょうか。
ここまでは私の体験談でしたが、以降は、大学での勉強全般における重要だと思った点を書いていこうと思います。
4. 高校までと大学でのテスト勉強の違い
まず、大学特有の点を強いて言うなら、大学の中間・期末テストには過去問があり、毎年似たような問題が出題される講義が少なくないということが挙げられます。
高校では、各教科の先生が毎年入れ替わるのが普通です。また、日々の勉強が大学受験に繋がっていることを考えれば、先生の出題傾向を探るよりも、問題集を解いて汎用的な実力を身に付けるほうが得だったりします。
一方、大学の講義は、先生が変わらないことが多いです。1から2年次に受講する教養科目では、毎年担当の先生が替わります。一方、2から4年次に受講するような専門性の高い科目ほど、担当教員は固定であることが多いです。
先輩や学科の資料室で過去問をGETし、過去問を解いたり、出題傾向を探るのが、高得点を取るための最短ルートであると言えます。
また、大学入試や資格試験などと異なり、過去問はあっても、過去問の回答がないことが多いです。先輩にもらえればよいですが、必ずしも正答であるとは限りません。教科書や授業ノートを復習しながら、過去問の解答を自分で作っていくことで、インプットとアウトプットを同時に行うことができ、非常に効率的な勉強になります。
5. 高いGPAを取るために
過去問の利用については、上で述べました。しかし、問題用紙を回収する講義もありますし、過去問にばかり頼っていては、汎用的な学力は身に付きません。AI(人工知能)の性能を上げるうえでも、過学習と汎化性能という問題が存在しています。要は、過去問(既知のデータ)を使って学力(AIの性能)を向上させる場合、過去問だけを丸暗記する位勉強してしまうと、過去問と全く異なる傾向の問題に対する応用力を失ってしまうということです。
とは言っても、試験にはある程度傾向もあります。しがたって
- 講義で学んだ分野で重要な項目について、暗記ではなく理屈で理解し、自分の言葉で説明できるようになる。
- 上記の要点を抑えたうえで、過去問や練習問題を使って、テストで高得点を取ることに特化した勉強も行う。
と言うのが、大学における勉強の最終目標であると考えます。
そこで、4年間で気づいたこと・学んだことを紹介していきます。
5-1. 履修登録の段階から戦略を練る
- 自分の得意・不得意に合った講義を履修する。
テストが得意か?文章を書くのが得意か?発表が得意か?といった点についてです。
シラバスを見て、テストとレポートの成績に反映される割合や、学習到達目標を見比べてみましょう。テスト本番に弱い方には、レポート比率5割などの講義がおすすめです。 - 同じ名前の科目でも、全く難易度が違うことが多い。成績を取るか、学問を深めるか。
例えば、「線形代数学Aという科目が、同時期に異なる3人の先生によって開講されている」と言うことはしばしばあります。その場合、それら3つの講義の内容も3様です。
シラバスに「行列の基本的な計算ができるようになる」を学習目標として書いている講義と、「各種定理の証明を理解する」を学習目標とする講義では、後者の方が難易度は高いです。しかし、厳密な数学を学びたければ、後者の方が欲しい知識を身に付けることができます。
シラバスを見て、自身の目標と照らし合わせて講義を取ることが大切です。 - (やや裏技)同じ分野の科目を複数履修する
例えば、微分積分学について。教養科目では、数学基礎Aとして開講されている一方、理学部では解析学Aだったり、工学部では基礎数理Bとして開講されていたりします。似た内容・違う名前の講義を複数履修することで、ほぼ同じ分野の講義3つ分の単位を稼ぐことができます。
同じものを何度も勉強する訳なので、当然、2,3回目に履修した講義では高得点を取ることができます。
この方法は、「同じことを何度も学んでも意味がない」と思われるかもしれません。
しかし、大学で学んだことは、卒業後どれだけ頭に残るか?と考えたとき、7割くらいの講義内容は跡形もなく記憶から消え去ってしまうように思います。
しかし、3個も似た内容の講義を履修すれば、それらの内容はそれなりに記憶に残るはずです。
どうせ頭の中から消え去ってしまう内容なら、同じような講義を何度も受講し、確固たる知識を身に付けたほうが、役に立ちます。
それだけではなく、同じ内容でも、先生ごとに教え方が違うことに気づくことができます。
そうすると、どんな講義が分かりやすいのか?また、どういう伝え方をすれば、相手に理解してもらえるか?という目も養われると考えます。 - 履修登録変更可能な期間に、受講を止めるべき講義を見極める。
シラバスをしっかり読み込み、授業の難易度や成績評価方法に納得したうえで講義を履修し、実際に聴講しに行っても、
・講義が全く面白くない。
・先生の言っていることが初回から意味不明。
・教授が厳しすぎる。逆に先生の言いたいことばかりで、思っていた授業内容でない。
・シラバスと異なる成績評価方法を取っている。
といったイレギュラーが起こり得ます。
そのような場合、履修変更ができるうちに、速やかに履修取り消し届を、大学の学務課に提出するのが得策です。少し面倒ですが、これによって、ストレスを大幅に削減し、自分にとって有益でない時間を、何十時間も節約することができます。
5-2. 過去問を中心とした勉強
これは、4. で述べたとおりです。過去問があるなら、活用しない理由はないです。
5-3. 先生の話に耳を傾ける
過去問の有無に限らず、講義内ではテストの出題内容を示唆するような発言に耳を傾けましょう。
- 直感的に分かりやすく言語化してくれる先生の話はしっかりメモする。
- 後で見返して理解できる言葉を選びながらメモをすることは、アウトプットになる。
過去問対策同様、インプットとアウトプットを同時に行うことができます。メモも技術のひとつです。授業を通して、メモ力を上げていきましょう。考えながらメモを取り、夢中で授業を聞いていれば、90分はあっという間です。スマホを眺めていてはもったいないです。
5-4. 無理をしすぎない
大学生は暇だと思われがちです。しかし、真面目に勉強し、アルバイトや部活動まで力を入れると、大忙しになってしまいます。「二兎を追う者は一兎をも得ず」では元も子もありません。そこで、
- 講義を取りすぎない(多くても半期で25単位が目安)。
- バイトを無理に詰め込まない(特にテスト期間は土日だけとかにする)。
- 部活やサークルの役職がある場合、簡単な仕事は後輩に手伝ってもらう。
といった、無理をしすぎないための工夫が大切です。時間と心に余裕を持ちましょう。
さいごに
私は、大学での勉強を通して、非常に多くのことを学びました。高校までと違い、よい成績を取るためには、教授ごとに大きく異なる授業のスタイルに対応しなければなりませんし、時には何冊も教科書や参考文献を読み漁る必要があります。
今回書いてきた内容が、成績を上げたい大学生の方々の役に立てば嬉しいです。しかし、上記のやり方や学習ポイントは誰にでも当てはまるものではありません。自分にフィットする勉強方法を探りながら、大学生活を楽しんでほしいです。
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