【振動・波動論】必修科目?独学におすすめ勉強方法と教科書

水面の波 大学物理
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1. 振動・波動論は必修科目なのか?

振動・波動論という科目は、大学の物理学科のカリキュラムに組み込まれています。しかし、必修科目ではないことも多いです。また、物理学科の学生が進学する、物理系の大学院の入試問題は、大抵、物理数学・力学・電磁気学・熱力学・統計力学・量子力学の分野から構成されています。振動・波動という科目は、(私の知る限り)物理学系の大学院入試で存在しません。

しかしながら、振動・波動を全く知らなくても、物理専攻の院試を突破できるかというと、そうとは言えません。

大学の物理学をひととおり独学したことで気づいたことですが(詳しくは上記の記事をご覧ください)、振動・波動論という分野は

  • 力学で学ぶ、「単振動・減衰振動・強制振動・連成振動」
  • 電磁気学の電磁波の単元で解くような、「波動方程式」
  • フーリエ解析
  • 微分方程式・複素関数の微分方程式

といった要素から構成されており、力学や電磁気学分野を超えて必要な「物理数学」の重要テーマを多く含んでいるからです。また、粒子性と波動性を持つ量子を扱う量子力学を深く理解するには、波動現象の数学的な記述方法を理解しておくことが重要です。

力学や電磁気学で、振動現象・波動現象を勉強する際に、その都度知識を補強していけば、振動・波動論を履修(あるいは独学)しなくても、振動・波動を修得することはできます。

もし、上記の分野をある程度理解していたり、それらが得意科目である場合、独立した「振動・波動論」を勉強する必要は無いかもしれません。しかし、力学・電磁気学において、振動の運動方程式や波動方程式は、あくまでツールとして使われており、振動や波動の特性や、それらの統一的な理解・解釈についてはあまり触れられないことが多いです。

また、最も簡単な波(平面波)は、次のような正弦波で表されますが、

$$u(x, t) = Acos(kx -\omega t + \alpha)$$

複雑な波動方程式を解く際には、あえて複素指数関数を用いて

$$\psi(x, t) = Ae^{i(kx -\omega t)}$$

と表します。なぜ複素関数を用いる必要があるのか、そもそも、複素関数で置き換えて問題ないのかなど、数学的な疑問を持ちます。

私は、物理学をひととおおり学んだうえで、履修必須ではないが、振動・波動の物理現象を、体系的・数学的により深く理解したい人が勉強すべき科目が、振動・波動論であると考えます。

2. 振動・波動論をYoutubeで学ぶ

そこで、なるべくサクッと振動・波動論を学びたいと思う訳ですが、これ以上はないと考える、最もおすすめの勉強法は、Youtubeの京大の講義動画を視聴(ネット上で履修)することです。

振動・波動論 – 京都大学OCW:
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/330/

こちらの動画では

  • (線形)微分方程式の一般論
  • フーリエ解析の一般論
  • 基準振動による重ね合わせの原理

などを、豊富な具体例を用いつつ、しっかりと数学的に解説されています。

大学院に入ってから振動・波動論を勉強しましたが、院試前にこの動画だけでも一通り見ておけば良かったと、ほんの少し後悔しています。院生になってからエンターテインメントとして見るのも楽しいですが…

この講義では、イメージしにくい現象を、なるべく直感的に伝えようとしている印象を受けました。関西弁のイントネーションも理解を助けているのか、大学入試では手も足も出なかった京大の講義ですが、ほとんど理解に詰まることもなく、1、2週間程度で一気見してしまいました。このような貴重な動画を、無料で、好きな時間に何度でも見ることができるのは、非常に恵まれている時代だと感じました。

また、私は教科書を読んでいると眠くなってしまうことが多いのですが、動画の場合、「人の話を聞いている」意識があるので、集中力が持続しやすいように思います。

ノートを一冊用意し、教授の「直感的でわかりやすい」発言をどんどんメモしながら、全14回のYoutubeの講義を履修していけば、振動・波動現象に加え、物理学・工学といったあらゆる分野で役立つ数学的式を身に付けることができるでしょう。

3. 動画を見た後、読んでおきたい一冊

一方で、電磁波(光)の屈折・反射や干渉については触れられていません。京大の動画の講義範囲に加え、それらの話題を比較的やさしく書いているのが、

振動・波動 (裳華房テキストシリーズ―物理学)です。

基本的な物理数学を理解していれば、初学者でも読み進めることができる難易度だと思いますし、京大の動画を見た後であれば、既にほとんどの内容はカバーできていますので、最終章だけ読めば十分でしょう。

こちらの書籍では、自由度やモードの概念を中心に理解することができます。

最後に

振動波動論を学ぶメリットには、

  • イメージしにくい振動・波動現象に慣れることができる。
  • 力学の振動現象や電磁波の伝播を統一的に理解できる。

ということや、物理数学の知識を補強できる点があります。粒子の力学現象はイメージしやすいですが、目に見えない波動現象を直感的に理解できるようになるには、どんな教科書よりもわかりやすい講義を聴講するのが最短ルートであります。それを可能にする状況が、Youtube上で実現されているとは驚きです。

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